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歯の神経を再生できる!?

歯の神経を再生できる!?

「歯の神経は一度死んだら元には戻らない」というのがこれまでの常識でした。

しかし、2020年に新たな技術として「歯髄再生治療」という技術が開発され、選択肢を増やすことが可能になったのです。

ここでは、歯医者の最新事情のひとつである「歯髄再生治療」について、ご紹介します。


■ 歯髄再生治療とは
歯髄再生治療とは、失われた歯髄組織を再生させる治療のことをいいます。歯髄組織の中に含まれる「歯髄幹細胞」には、神経などの組織を再生する働きがあり、その力を利用して行うのが歯髄再生医療です。

歯髄再生治療の流れは、次の通りです。

1.噛み合わせに影響のない歯(親知らずや乳歯)を抜歯する
2.抜歯した歯から、歯髄幹細胞を採取する
3.歯髄幹細胞を培養して増殖させる
4.歯髄幹細胞を再生したい歯の根の中に移植する

歯髄再生治療は保険適用外であったり、再生がうまくいかない可能性があったりと注意したい点もあります。しかし、歯髄の機能を回復させることができることは、非常に大きなメリットがあると考えられます。


■ 歯の神経(歯髄)の役割とは
歯の神経にはさまざまな役割があります。主な役割は次の通りです。

1.歯に栄養を送り、丈夫な歯を保つ
2.痛みや刺激といった異常を伝える
3.免疫反応で歯を細菌から守る

歯の神経は、私たちの歯の健康を陰で支える存在なのです。

歯の神経を再生できる!?

■ 歯の神経を失うとどうなる?
歯の神経を失うことによる主なデメリットを紹介します。

1.歯に栄養が送られなくなり、歯が脆くなる
2.むし歯の再発に気付きにくくなる
3.歯が変色する
4.細菌感染により再治療の必要が出る場合がある

歯の神経を失うことで、歯の寿命は10年程度短くなる、とも言われています。歯の神経はできるだけ長く残しておくのが理想といえるでしょう。


■ 歯を丈夫に保ち、長持ちさせるために
健康な歯を維持するためには、歯の神経をなるべく残すことが大切です。おくちが健康であれば、毎日のお食事や会話を楽しんだり、スポーツで力を発揮したりすることができます。

神経のある歯をひとつでも多く残すためには、まずはむし歯にならないことが大切です。むし歯を作らないために定期的に歯科医院を受診したり、おうちでのブラッシングによるケアを充実させましょう。

定期的に受診していれば、仮にむし歯でも早期に治療ができるため、神経を失う可能性を低くすることができます。あくまでも、歯髄再生治療は神経を残すための最終手段と考えておきましょう。

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