どこいこリサーチ

歯科口腔外科で治療する顎関節症

歯科口腔外科で治療する顎関節症

「顎が痛い」と感じた時は、歯科口腔外科を受診してみるのもいいでしょう。
歯科口腔外科ではお口の中はもちろん、お口周りのケガや顎の病気の診断・治療ができるため、症状に合う治療を受けることができます。

今回は、顎関節症の特長と歯科口腔外科の顎関節症の治療方法を紹介します。


■ 顎関節症とは?
顎関節症とは、顎の関節やその周辺の筋肉の病気です。以下のような症状が現れたら、顎関節症かもしれません。

・顎が痛い
・お口を開けると音が鳴る(雑音)
・お口を大きく開けられない(開口障害)

顎に負担がかかり続けると、ある日突然お口が開けられないなど、生活に支障がでる顎関節症が引き起こされることがあります。
顎の痛みだけではなく、「ジョリジョリ」「ボリボリ」などの音が耳に響くこともあります。

また、お口を開けたときに縦に指が3本入らない方は、開口障害があるかもしれません。
放置しておくと、顎が外れたり、お口が開けられなくなったりするため早めに歯科口腔外科を受診することをおすすめします。

歯科口腔外科で治療する顎関節症

■ 歯科口腔外科の顎関節症の治療
歯科口腔外科では症状に合わせて顎関節症の治療を行います。
顎関節症になったからといって、必ずしも外科的な処置が必要なわけではありませんので、歯科医師としっかり相談して治療計画を立てましょう。

【薬物療法】
顎に痛みがある方には、痛み止めの処方はもちろん、非ステロイド性の消炎鎮痛剤を塗っていただきます。
ただし、根本的に顎関節症を改善できるわけではなく対処療法となります。

【スプリント治療】
顎関節症の改善には噛み合わせが大切ということがわかっています。
歯や顎への負担を減らし均一に噛み合う力が分散されるような仕組みのマウスピースや、下顎の位置や関節円板の位置を補整するためのマウスピースをスプリントと呼びます。

【理学療法】
理学療法とは身体の動作能力を改善させるための手段で、「電気療法」と「温熱療法」により顎関節症の緩和を促します。

・電気療法:専用の装置で顎に電流を流して、筋肉の緊張をやわらげてコリをほぐすことで、顎関節症の緩和をめざします
・温熱療法:患部に炭酸ガスレーザーを当てたり、ホットパックをしたりして温めることで痛みを緩和する治療方法

【外科的治療】
一般的にはスプリントや薬物療法、理学療法による顎関節症の治療を進めます。
しかし、それでも症状が緩和しない場合は、外科的治療を歯科口腔外科で受けることが可能です。

顎の骨と骨の間にある隙間(関節腔)を洗浄する治療「顎関節腔内洗浄療法」を行います。局所麻酔をした後、生理食塩水で関節腔にある炎症性物質や浮遊物を洗い流すことで痛みの軽減をめざすことが可能です。
その後、シリンジで関節腔内に圧力をかけて関節円板の位置を動かす治療を行うこともあります。

それでも改善しないケースは、全身麻酔を行いメスで切開して治療する外科手術が最終手段となります。

歯科口腔外科記事一覧へ

記事一覧へ