歯周病ってなに?歯肉炎と歯周炎の違いや原因について解説
「歯周病になると歯が勝手に抜け落ちるの?」と不安に感じていませんか?
歯周病にも程度があり、初期段階であれば治癒するまでにそれほど時間はかかりません。歯が抜け落ちる心配もゼロといっていいでしょう。しかし、ほとんど痛みをともなわずに進行することから悪化しても気づきにくく、発見が遅れて抜く必要がでてくる場合もあります。
こちらのページでは、歯周病の特徴や原因について分かりやすくまとめました。お口の状態と照らし合わせてみて、当てはまる場合はぜひ歯科医院へご相談ください。
■ 歯周病とは?
歯ぐきや歯根膜、歯槽骨など歯の周囲の組織が菌に感染する疾患を「歯周病」といいます。歯ぐきにのみ感染がみられる「歯肉炎」と、歯根膜や歯槽骨にも感染がみられる「歯周炎」に分けられ、歯肉炎が進行して歯周炎になります。
■ 歯肉炎の症状(軽度の歯周病)
「軽い歯ぐきの炎症」と「軽い出血」が主な症状です。
歯を磨くと歯ブラシに血がつくことはありますが、一時的で痛みはほとんどありません。歯ぐきをマッサージするように磨くと、だいたい1週間以内に出血は止まります。
年齢に関係なく、小さなお子様でも歯肉炎になることがあります。
■ 歯周炎の症状(中度~重度の歯周病)
歯ぐきの腫れや出血の具合が歯肉炎よりも酷く、歯のグラつきや排膿(歯ぐきから膿がでること)がみられる場合もあります。
歯周炎は重度化するともとの状態に戻すのが非常に困難で、年単位の治療や抜歯が必要になるケースも少なくありません。
■ 歯周病の主な原因は歯ぐきに付着した「歯垢」と「歯石」
細菌の塊である歯垢や歯石が歯ぐきに付着することで歯周病がおこります。とくに歯ぐきのなかに入り込んだ歯石は歯周病の進行を早めるため、注意しなければいけません。
歯をどんなにきれいに磨いていても根元に汚れが残っていれば歯周病になりますので、歯磨きをするときは時間ではなく毛先の当たる位置を意識しながら磨きましょう。
■ 歯周病を進行させるその他の原因
歯周病が悪化する原因は、磨き残しだけではありません。
以下に当てはまる場合は、お手入れや歯石除去以外の対策も必要です。
■ 歯ぎしりや食いしばり
歯に強い圧がかかる歯ぎしりや食いしばりは、周囲の組織へのダメージが大きく、続けばそれだけ歯周病のリスクが上がります。歯のヒビや破折、顎関節症につながる可能性もあるので、早めの対策を心がけましょう。
起床時に顎のだるさや痛みを感じる場合は、就寝中に歯ぎしりをしている可能性が高めです。就寝中は意識して止めることができないため、マウスピースの使用をおすすめします。
■ 糖尿病や自己免疫疾患
糖尿病は歯周病と相互関係にあり、それぞれ悪化させる原因であるため注意が必要です。
自己免疫疾患や薬の副作用で感染症のリスクが上がる場合もあります。
■ ホルモンバランスの変化
思春期や妊娠中はホルモンバランスが変化するため、歯周病のリスクが上がります。とくに妊娠中はつわりの影響でお手入れがうまくできないケースも少なくありません。お口の環境は生まれてくる赤ちゃんにも影響しますので、定期検診は忘れずに受けるようにしましょう。
■ 歯の根元の磨き残しを防いで歯周病を予防しよう
歯周病の原因には、歯の根元の磨き残しや歯ぎしり、糖尿病、ホルモンバランスの変化などが挙げられます。はじめは歯ぐきの軽い炎症や出血程度ですが、進行すると腫れや出血が目立つようになり、歯のグラつきや排膿がおこって治療が長引く可能性があります。「歯周病かも?」と思ったら、早めに歯科医院へご相談ください。