むし歯を放置するとどうなるの?
「むし歯になってるかも…」と思っても、歯医者さんの受診を先延ばしにしていませんか?
むし歯の治療は早ければ早いほど良い、ということはよく言われますが、実際にむし歯を放置しておくとどのようなことが起こるかご存知でしょうか?
ここでは、むし歯を放置すると起こることについて、お話します。
■ 耐えられないほどの痛みが出る可能性がある
初期のむし歯では「冷たいものがしみるようになった」「物があたると痛む」など、症状としては耐えられないほどのものではないことがほとんどです。
しかし、むし歯が進行していくと「夜眠れないほどの痛み」「痛み止めも効かなかった」などという症状が現れることもあります。
これは、むし歯が歯の神経まで到達してしまったときの症状と考えられます。神経までむし歯の細菌に感染してしまうと、3〜4日の間、強い痛みが出ることが多いです。
神経までむし歯が到達した場合、感染した神経を取り除きお薬を詰めて蓋をする治療が必要になりますので、早めに歯科医院で相談をしましょう。
■ 痛みがなくなった=治癒ではない
むし歯による強い痛みも、時間が経過することで落ち着くことがあります。しかし、痛みがなくなったからといって安心してはいけません。
痛みがなくなったのは「歯の神経が完全に死んでしまった」というサインです。たとえ神経が死んでしまっても、むし歯は止まることなく進行を続けます。
そこからさらにむし歯が進行すると、歯を支えている骨に感染が拡大したり、全身に影響を及ぼしてしまうことも考えられます。痛みがなくなったとしても、きちんと歯科で治療を行うことが大切なのです。
■ 別の病気の原因になることも
進行したむし歯が全身疾患の原因になることもあります。
【心疾患】
むし歯の原因菌が心臓まで運ばれ、心内膜炎などを引き起こしたという事例もあります。感染性心内膜炎は心機能に大きな影響を及ぼすので注意が必要です。
【脳梗塞などの脳血管疾患・認知症】
むし歯の原因菌が脳まで運ばれると、脳の血管などに悪さをし、認知症(認知機能低下)を引き起こしやすくなる、という報告があります。
【その他、糖尿病や肺炎など】
一見関係ないように見える病気の原因がむし歯、ということがあります。むし歯が進行すると、むし歯の原因菌が血液を介して全身へ運ばれ、重篤な病気や炎症を引き起こすのです。
むし歯は放置せず、早めに歯科医院で治療をしておきましょう。治療の痛みや費用でお悩みの方は、事前に歯科医院へ問い合わせてみるとよいかもしれません。